2023年10月、iPhone販売が飛躍
ニューズドテックでは、有識者によるコラム、業界人を対象とした取材記事を定期的に配信する「ニューズドマガジン」を開始しました。導入を検討している企業・法人向けに、これまでに導入した法人事例、導入事例なども配信します。
中古iPhoneの販売において、大きな変化が起きた。「iPhoneSE 第二世代 64GB」が、9月の4位から1位に躍り出たのだ。4ヶ月ぶりのランキング・トップでもある。
年間40万台以上の中古携帯端末を売買する業界最大手の「株式会社ニューズドテック」が、2023年10月1日から10月31日までの自社販売の実績から集計した「販売数ランキング」を発表した。端末は、すべてSIMロック解除済(SIMフリー)である。
中古のiPhoneSE 第二世代 64GBが人気
前述したように、そのランキングでトップとなったのが「iPhoneSE 第二世代 64GB」である。前月トップだった「iPhone8 64GB」は2位に、2位だった「iPhone7 32GB」は3位、3位だった「iPhone 第二世代 128GB」は4位へと、ごぼう抜きされるかたちで順位を下げている。
しかも2、3、4位となった3モデルは、いずれも前月比で価格が1000円下がっている。しかし、1位の「iPhoneSE 64GB」は前月比で価格に変わりはない。にもかかわらず、1位に躍り出たのだ。
もうひとつ、特筆すべきことがある。iPhoneの最新機種「iPhone15」が9月22日から発売開始されており、その最新機種を購入するユーザーが10月には一気に増えている。そうなると、手持ちのiPhoneを手放すユーザーも増える。市場での中古iPhoneの供給が急増したわけで、それが9月に比べて値下がりした理由のひとつでもある。
供給量が増え、値段も下がったことによって、ユーザーにとっては「購入しやすくなった」ことになる。にもかかわらず、iPhone8以下は販売ランキングでの順位を下げてしまったのだ。
その理由をニューズドテック事業本部EC事業部の松崎剛士は、「最新OSのアップデート対象外となったiPhone8以下の端末を懸念するユーザーが出てきた印象です」と分析する。
最新OS「iOS17」の影響は無し?
2023年9月22日に、最新OSである「iOS17」がリリースされている。iPhoneユーザーに電話をかけると相手の端末に自分の電子名刺ともいえる情報が表示される「連絡先ポスター機能」など、便利で楽しげな機能が追加されているのが最新OSだ。
しかし、このiOS17は、iPhone8以下にはサポートされていない。つまり、iOS17を使うことはできないのだ。これを懸念するユーザーが多いことが、iPhone8以下がランキングの順位を下げてしまった理由だというのだ。
一気にトップの座を奪った「iPhoneSE 第二世代」は、このiOS17がサポートされている。中古のiPhoneで、最新のOSを利用できるのだ。ここにユーザーが惹かれるのも無理ないといえる
中古「iPhoneSE 第二世代 64GB」の11月2日時点での平均価格は、22000円である。かなりの割安感がある。
この平均価格は、ニューズドテックが運営する通販サイト「トリスマ」(楽天、Yahoo!ショッピング、Amazon他)において状態がBランク以上のものになる。購入時期や状態によっては変動する可能性があるが、トリスマならではの割安感ともいえる。
まだまだ仕入れ台数は少ないものの、iPhone14からiPhone11あたりのハイスペックの端末も入荷しつつあるという。iOS17を使いたいユーザーの購入意欲をくすぐることになるだろう。
iOS17の登場によって、中古市場におけるiPhoneの販売傾向は大きく変わっていきそうな気配である。