進む、ガラケーからスマホへの切り替え
中古ガラケーの販売台数がゼロに?
「スマホが普通」みたいな環境で、フィーチャーフォン(ガラケー)の存在感は薄れるばかりである。キャリア大手3社のうちNTTドコモとauは、2020年以降、新機種を出していない。
新機種がでていないとなると、注目は中古である。株式会社ニューズドテックが運営するモバイル販売サイト「みんなのすまほ」では、中古ガラケーもラインアップしている。しかし、異変というか、変化が起きつつあるという。
みんなのすまほでは4Gガラケーを取り扱っている「AQUOSのガラケー」が人気だ
人気1位は「SIMフリー ドコモ SH-02L AQUOS ケータイ ブラック」
「みんなのすまほ」でのガラケーの販売数は、2021年1月で430台、2022年1月でも291台あった。しかし2023年1月には、97台と初めて100台を切ってしまった。販売台数が、急減しているのだ。ただし、あとで説明することになるけれども、ガラケーも十把一絡げ(じゅっぱひとからげ)に考えてはいけない。
ともかく、中古ガラケーの販売台数は減ってきている。この傾向についてニューズドテック事業本部EC事業部の松崎剛士は、「毎年100台ペースでの販売台数減少が続いており、来年の1月にはゼロになってしまう可能性が高い」と分析する。新規機種の発表が無いなかで、中古に人気があつまってもよさそうなものなのだが、新規より中古のほうが先に需要がなくなってしまうかもしれない。
ガラケーは生き延びられるのか
ここで、ガラケーについて、あらためて説明してみたい。まずガラケーという呼び方だが、これは「ガラパゴスケータイ」の略である。
ガラパゴス諸島は東太平洋の赤道下にあるエクアドル領の諸島で、大陸と陸続きになった歴史をもたないため、多くの「固有種」が見られる生態系で有名だ。固有種は、特定の国や地域にしか生息・生育・繁殖しない生物学上の種のことである。
こうした特徴をもつガラパゴスから、日本だけで進化して外国では受けいれられなくなっている製品やサービスを指して「ガラパゴス化」というビジネス用語が生まれた。つまりガラパゴスケータイ(ガラケー)は、日本では通用しているが、「海外では通用しなくなっている携帯端末」ということになる。「スマホ以外の携帯端末」と考えればわかりやすいかもしれない。
スマホに比べて画面が小型であり、その分だけ軽量である。そして、物理的なキーボードを備えているのも特徴といえる。こちらの操作感を捨てきれない、という人も少なくないかもしれない。
とはいえ、海外同様に日本でも急速にスマホ普及がすすみ、ガラケーは「衰退」への道を突き進んでいる。日本もガラパゴス状態のままではいられなくなってきているのだ。
そこには、根本的な問題も大きく影響している。従来のガラケーは、3G回線を使用していた。この3G回線については、auは2022年3月末でサービスを終了している。ソフトバンクも2024年1月下旬、NTTドコモは2026年3月末までに終了する予定だ。つまり、3G回線のガラケーが使えるのは、長くても2026年3月まで、ということになる。使いたくても使えなくなってしまうのだ。
「FOMA」および「iモード」のサービス終了について<2019年10月29日>
しかし、3G回線のガラケーには終わりが近づいているものの、そうではないガラケーもある。4Gの回線に対応したガラケーだ。先にガラケーを十把一絡げにしてはいけないと述べたのは、これがあるからである。
すでに5G回線のサービスが開始されているとはいえ、4Gがすぐに停止されるとは考えにくい。4G対応のガラケーであれば、まだまだ使える。
「みんなのすまほで扱っているガラケーも、4G対応機種が主です」と、前出のニューズドテックEC事業部の松崎もいう。それでも、「ガラケーからスマホへ切り替えた人が多くいる、という印象をもっています」と松崎。
使い慣れたガラケーから、なかなか離れられないユーザーもいるかもしれない。操作が難しそう、と感じているユーザーも少なくない。スマホの値段の高さに躊躇してしまっているユーザーもいるはずだ。
スマホが急速に普及してきたのは、やはり便利だからである。その便利さを経験しないで、スマホへの切り替えをためらっているのは損をしていることになるかもしれない。まずは、経験してみることである。それには、中古の安いスマホがピッタリだ。