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サッカー女子日本代表、ワールドカップ2023大会直前インタビュー!田中美南選手が4年間を振り返って思うこととは?

Date 2023/07/13
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ニューズドテックでは、有識者によるコラム、業界人を対象とした取材記事を定期的に配信する「ニューズドマガジン」を開始しました。導入を検討している企業・法人向けに、これまでに導入した法人事例、導入事例なども配信します。

サッカー女子日本代表、ワールドカップ2023大会直前インタビュー!田中美南選手が4年間を振り返って思うこととは?

※本インタビューは日本代表が決定した翌日、6月14日に収録しました。

粟津 本日のゲストは、サッカー女子ワールドカップ日本代表に選ばれました田中美南選手です。この度はおめでとうございます。

田中 ありがとうございます。ドキドキでした(笑)

粟津 発表の瞬間はどちらにいらっしゃったのですか。

田中 ワールドカップとかオリンピックは事前に報告がないので、皆さんと同じようにリアルタイムでJFATV(公益財団法人 日本サッカー協会公式YouTubeチャンネル)をYouTubeで見ていました。

粟津 前回大会は残念ながら出場を逃しましたが、この4年間、振り返ってみていかがですか?

田中 成長できた4年間だと思っています。4年前、日本代表から外れることがなかったらINAC神戸レオネッサに移籍することはなかったと思うし、ドイツにもチャレンジ(2021年 ドイツ女子1部 バイエル・レバークーゼンへ期限付き移籍)してなかったので、環境を変えるという大きな決断ができたターニングポイントになったと思っています。

ドイツでの経験が大きく成長につながった。日本に足らないのは凄みにつながる「熱さ」。

粟津 ドイツと日本を比べると環境がだいぶ違いますよね。

田中 違いますね。海外は孤独ですけど楽です(笑)。言葉がわからないので、監督が怒って仲間と揉めたりしていても、特に気にしないでサッカーだけに集中できました。

対談画像2

粟津 日本では食事の環境も自分に合わせやすいですが、海外だと難しそうですね。

田中 実はレバークーゼンから車で30分くらいのデュッセルドルフという日本人が多い町に、サッカー協会関係のご家族がいらしたのでよくご馳走になって(笑)、すごく助かりました。あとは日本の米や納豆、豆腐なんかを買ってきて簡単に食べました。

粟津 ドイツは代表もリーグも世界トップレベルですよね。日本とドイツのサッカーで、どんな点が大きく違いますか?

田中 ドイツは、勝ち負けはもちろんですけど、あからさまに球際に強く行くし、ボールの奪い合いも絶対に負けない。すごい迫力です。その点、日本は綺麗に上手くやろうとして「熱さ」が欠けているように感じます。日本人はもっと熱さを出さないといけないと思います。

粟津 ドイツでの経験も含めて、4年の間に一番変わったと思う点について教えてください。

田中 ベレーザの時は、みんなが上手くやって自分に点を取らせてくれたので、最後のところで集中して決めればよかった。でもいまの日本代表メンバーならば、他の選手を活かす側に回ることもあるし、勝つために必要なことを瞬時に考えて、ボールが来ないとわかったらディフェンスラインの近くに下がって、ビルドアップに参加するとか、自分で理解した上で動けるようになった。役割の引き出しが増えたと思っています。

粟津 4年間で味方の選手の長所を掴む能力もが上がってますね。

田中 そうですね。活かしてもらいながら、周りも活かせるようになったと思います。

レジェンド澤穂希選手に憧れて、18歳という若さで日本代表という同じ舞台に立つ。ゴールを決める責任を貫いて得点王へ!

粟津 憧れの選手はいらっしゃったのですか?

田中 澤穂希さんが人気でずっと憧れていたので、最初はなでしこジャパンに入るよりベレーザに入りたい気持ちの方が強かったですね。

サッカー女子ワールドカップ代表の田中美南選手
サッカー女子ワールドカップ代表の田中美南選手

粟津 田中選手は18歳の若さで日の丸を背負いましたよね。

田中 日本代表に選ばれたこと自体がすごくサプライズでした。とにかく頑張ろうって感じで、日の丸を背負っているという感覚はなかったです。

粟津 その後ステップアップされて、4年連続で女子日本リーグの得点王となりました。得点を取った瞬間はどんな気持ちなのでしょう。

田中 ゴールを決めた瞬間は、何回でも気持ちがいいし嬉しいです。やっぱり自分が点を取って勝たせることが一番の責任だと思っていましたから、自分はこの瞬間にボールを出してもらえたら絶対ゴールを決めるからと、責任を持って仲間には欲しいボールを要求していました。でも周りが上手くて、みんなその通りにやってくれるのでありがたかったです。

粟津 トレーニングメニューを監督やチームが決めて、田中選手は日々練習していた?

田中 その当時はパーソナルトレーナーについてもらって、体の動かし方だったり、筋トレやトレーニングの指導を受けてしました。それも大きな成長に繋がったと思います。

粟津 田中選手のプレーを見ていると、以前よりもプレースタイルが少しずつ変わってきていると感じてます。

田中 18歳の頃からの目標は、裏にも抜けて、起点にもなれて、点も取れる何でもできる選手を目指していました。それは今も変わらないです。若い時は波もあったしクオリティも低かった。年齢と経験、技術的な部分やフィジカル的な要素も含めて、レベルが上がってきていますので今は安定して良いプレーが出来ていると思っています。

粟津 オールマイティといえば、男子でいうと大迫勇也選手のイメージでしょうか。

田中 最近よく言われます(笑)。でも男子だったら自分も大迫選手みたいになりたいので嬉しいです。

データの分析と活用は日々の練習から試合当日まで不可欠。個人のスマホも自己管理にデータを活用。

粟津 個人やチーム強化のために試合や練習のビデオ映像を見たり、データは活用されていますか?

田中 試合後のチームミーティングでは、監督とスタッフが、良かったところとダメだったところを映像で出してくれます。次の対戦相手の分析も映像を使います。

粟津 田中選手が18歳の頃と比べると、データの分析や活用の仕方は変わりましたか?

田中 全然違いますね。振り返りで映像を見るのはこれまでと同じですが、今はそれぞれの選手がGPSをつけていますので、走行距離のほかに、何本スプリントするとか、スピードのマックス値など全て細かくデータが出ます。GPS採用はおそらく池田監督になってからですね。ドイツではすでに採用されていました。

株式会社ニューズドテック代表・粟津浜一
株式会社ニューズドテック代表・粟津浜一

粟津 5月にエンジェルスの大谷翔平選手を観に行く機会があったのですが、練習の時からデータ分析の映像を使って、肘の角度、投げた球の回転量などをチェックしていました。試合中、大谷選手がランナーで塁に出ている時も、タイム中にわざわざベンチに戻ってタブレットでデータの確認をしていたので、積極的に活用しているのがわかりました。

田中 今年のINAC神戸レオネッサの朴康造監督は、試合中ベンチで、iPadで気になったシーンをその場でインスタに抜き取って、ハーフタイムですぐその映像に繋げて、改善点を明らかにしています。

データ管理することで、怪我につながるリスクを回避。自己のコンディションに併せた理想的な練習メニューを生み出す。

粟津 Netflixで「アオアシ」を観ました(笑)。あのサッカーアニメのように、選手が動いて、パスをもらったり出したりして、走り込んでシュート!という展開もすべてデータで管理されているのですか。

田中 笑。最近はみんなデータ管理していますね。試合終了後、たとえば疲労感が少ないのにデータ上は走っているということがあります。走行距離だけでなくスプリントの回数を確認すると、少ないことが判るので、もっとスプリントを増やそうということが確認できます。

粟津 なるほど笑。自分の感覚をデータで正確に確認できますね。

田中 データ管理の目的のひとつは、怪我リスクを考慮した練習メニューを考えるという大事な役割があります。

粟津 データ活用は自分の“故障予測”にもつながるということですね

田中 はい。筋肉系の怪我が多いので、トレーナーがデータを使って無理なく管理してくれています。

粟津 データ活用の幅がすごく幅広いのですね。

田中 毎日体重をスマホのアプリに入力している選手もいるし、あとは女性アスリートならではのコンディション管理など、海外行ったときは怪我しやすくなるので、細かく管理しているチームもあります。

怪我や故障のリスクを認識するため、体力の自己管理は個人のスマホも欠かせない。田中美南選手がスマホに追加したい機能とは。

粟津 自身で管理しているのならばスマホは必需品ですね。

田中 コロナ禍では、毎朝、体温を測って記入、咳、だるさ、項目ごとに入力して練習に行くんです。体温が高かったら個別にトレーナーに連絡して休みます。毎日の練習後に自分の疲労度を10段階で表すアプリに入力しているチームもあります。

粟津 ONE TAP SPORTSさんのアプリですか?スポーツ選手を管理するすごい仕組みですよね。

田中 そうです。ワンタップを使っています。

粟津 我が社はあの仕組みをスマホ版に取り入れたい。スマホの調子やバッテリーの残量をアプリで診断して、将来壊れるリスクを検出するのです。スマホは壊れてしまったら機種交換するのが大変ですよね。壊れる前にキャッチアップして、交換するというのが理想なのです。

田中 スマホを失くしそうになったら警告が鳴る機能があったら嬉しいです(笑)

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粟津 なるほど。GPS動かない時間が長いとスマホを失くしそうだなということで、“この人ちょっとオッチョコチョイ“ってスマホが判断するとかね(笑)

田中 この間、iPhoneを『探す』機能のことを知らなくて失くしてしまったのです。iPadを持っていたのですが、連動できずにどこで失くしたのかわかりませんでした。

粟津 いつ頃、どこで失くされたのですか?

田中 4月にポルトガルに行った時に飛行機内で失くしてしまいました。到着後にCAさんも一緒に客席を全部探してくれたのですが。現地ではずっとiPadを使って連絡を取ったりYouTube見たりしていました。日本に帰ってきてからが電子マネー系やいろんなアプリを止めなくてはいけなくてたいへんでした。何よりもデータが無くなってしまったのが悲しい。

粟津 データが壊れる前に勝手にバックアップとる機能があれば便利ですよね。アプリの診断で、例えばカメラの調子が悪いとか、センサー情報がおかしい時に、自動で写真だけバックアップしてくれるという。

田中 写真のバックアップのサービスはぜひ作ってください。お願いします。

粟津 我が社はモバイルの不便をどんどん無くしていくことが使命のひとつです。Googleで「モバイル 不便」の検索結果ゼロを目指します。

田中 栗津さんも私と違ったカタチで世界で戦っていくんですね!応援しています!

海外でスマホの紛失。帰国後は個人的にニューズドテックを利用。心配もあったけどスマホが届いて安心できた。

粟津 今回スマホを失くされた後、ニューズドテックの商品を使っていただいてありがとうございます。

田中 ネットで中古スマホを選ぶのは、端末の傷も心配ですし、機能も実は不安でした。でも実際に送っていただいた商品を見たら、とても綺麗でびっくりしました。中古とはいえ新しいiPhone13 Proに変わって、カメラも綺麗になって嬉しいです。大事に使っています。

田中美南選手とニューズドテック・粟津の縁を繋いだ中古iPhone 13 Pro
田中美南選手とニューズドテック・粟津の縁を繋いだ中古iPhone 13 Pro

粟津 スマホは普段から肌身離さず使われていますか?

田中 最近は、スマホと身分証、それと少しの現金しか持ち歩かないですよね。クレジットカードと運転免許証、それに領収書が入ればいいのでミニ財布でいいですよね。

粟津 今後は、マイナンバーに続いて運転免許証もスマホに導入することが計画されています。そうなったら便利ですが、スマホを失くしたり壊れたりしたら終わりですね。

田中 便利だと思いますが端末代金が高くないですか? パソコンと同じくらいですよね。性能のいいカメラが買えそうです。でも端末の性能や機能性はもう限界まできているのですかね。

ますます高額なスマホ、自分の好きな香りが出てくるといい。香水は試合前にテンションを上げるためのツール。

粟津 Appleさんの最新マウントディスプレイは48万円です。目の前の空間で、アプリや動画を見ることができるのですが、iPhoneと連動すると思うので、当然またiPhoneの端末値段も上がりますよ。

田中 すごいですね。ネットショッピングしていると、香水の香りを試せたらいいのにと思うんですよね(笑)。ホワイトムスク系の香りが好きで使っています。スマホを触ると香りがフワンと出てきたらリラックスできていいですね(笑)

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粟津 女子バレーボールの全日本には香水タイムがあるとか。1日に何度も費やすために時間がもったいないと語る選手もいるようですね。

田中 私は日焼け止め塗り直す程度ですけど、女子サッカーでもハーフタイムでファンデーションを直している選手がいますよ。ロッカールームで汗を拭きとってから日焼け止めを塗り直して、ファンデーションとリップを塗って、ヘアスタイルも整えて…。男子サッカーでは絶対に見られない光景です(笑)。

粟津 人それぞれのテンションの上げ方があるのですね。

田中 そうです。テンションの上げ方の一つだと思います。みんな朝早く練習に来たら、ストレッチしたり、体作ったりする選手がいる一方で、早めに来て鏡の前で化粧している選手もいますから。

「強いチーム」「強い組織」とは?戦略的に強みを活かしてさらに強化する。

粟津 田中選手が考える強いチームについて教えてください。

田中 やっぱり臨機応変に対応できるのが一番強い。頭で分かっても体現できないことがあるので、体現できるポテンシャルを持った上で、フィジカル的な能力とクレバーな頭の良さが備わっているチームが強いと思います。

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粟津 経済学者のピーター・ドラッガーは、“マネジメントの父”と呼ばれていますが「卓越性を生かす」と言っています。つまり弱みはいくら努力しても上がらない。強みに焦点を当て、強みだけを伸ばすということです。強みを掛け合わせた組織が一番強い。サッカーも同じということですね。

田中 チームスポーツなので強みを出すという意味では同じですね。でもシーズン中の終盤に弱みを底上げしようと思っても遅い。シーズンの最初に今年のチームの弱みを理解して底上げする力も必要です。弱点があまりに低すぎると対戦相手によっては、波が出てしまうので、強い部分を伸ばしながら弱点も解消していかなくてはいけないと思います。

粟津 以前、元中日ドラゴンズの平田良介さんに、現役を振り返って、監督はどなたの時がやりやすかったですかと質問したのです。すると中日が最強時代の落合博満監督と仰って。落合監督は、役割分担をはっきりさせて強みを活かすことだけやればいいという方針だったそうで。

田中 選手の方も強みに集中するでしょうし、それ以外は周りがやってくれるって思えたら、強みだけを責任持って全うするようにしますよね。サッカーは自由度が広い分、ピッチの中は自分たちで考えて自分たちで変えられる。何を変えなきゃいけないか、いち早く気づけないといけないなと思いますね。

ファッションとコーヒーが好き。将来は「好き」という強みを活かした仕事をみつけたい。人との繋がりを大切にしたい。

粟津 田中選手の将来の夢についても聞かせてください。

田中 まだざっくりしていますが、自分が「好き」って思えることを仕事にしたいなと思っています。「好き」がやっぱり強いと思う。今までずっとサッカーが好きだから続けてこられているので、好きなものを見つけてちゃんと稼げるようにしていきたいですね。

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粟津 将来、コーチや監督になることを考えたりしますか。

田中 教えられないと思うのです。子供と一緒にやるのは好きなので、スクールはいいと思うのですけど、勝つためのチーム作りをして、試合で采配するなんてできないと思いますね。サッカー以外で何か職に就きたい。経営にも興味があります。

粟津 私は43歳ですけど、ちょうど今の田中選手の頃に起業したんです。元々、宇宙のエンジニアになりたくて大学院まで行ったのですが、日本の研究所に行けなくて。地元に戻って研究職をやりましたが面白くなくて、それで起業しようと思ったのです。全くやったことのないものをやろうと考えて“携帯”に結びつきました。

田中 起業にあたってプランニングされたのですか?それとも勢いですか?

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粟津 ある程度プランニングしましたが、ほとんど使えなかったですね。ど素人ですからね(笑)。その当時はとりあえずやるって決めて。真面目にやっていればなんとかなるものです。

田中 この間、今まで使ったINAC神戸レオネッサのユニフォームをリメイクして、ショッピングバッグとポシェットを新たなグッズとして作ってファンの人たちにカフェで販売することを守屋選手(守屋都弥選手)と二人で企画したのです。

粟津 サッカーとは関係なく面白そうな企画ですね

田中 カフェのオーナーさんがリメイク工場の人たちと繋いでくださって、デザインの打ち合わせや価格の設定など、自分達も意見を出してやったのですね。人との繋がりがめちゃくちゃ大事だなって感じました。

粟津 お二人とも初めての経験でしたか?

田中 はい。すごくいい経験になったし、本当にいろんな人に支えられているなと思いました。ファンの方にカフェに来て買ってもらうだけじゃなくて、何か自分たちも提供したいと思って、ラテアートを練習してカフェの店長をやりました。

粟津 大勢のファンが集まったのではないですか?

田中 最初は不安でしたが、ファンの方がすごく来てくださって、ホットラテを4杯も飲んでくれる人がいたり(笑)。愛されているなって思いました。

田中選手のワールドカップの目標は、1点でも多くゴールを決めること!ニューズドテックは世界展開を目指し、モバイルの不便を解消し続ける。

粟津 ワールドカップまであと残り僅かですが、最後に田中選手のワールドカップへかける思いについて聞かせてください。

田中 ワールドカップは個人で言えば、チーム内で一番点を取りたいです。特に具体的な数字はありませんが、チームを勝たせるゴールを決めればそれでいいです。チームでいえばメダルを獲得してお世話になってくる人にお見せしたいですね。

粟津 応援しています。本日はありがとうございました。

田中 ありがとうございました。

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田中美南選手のSNS情報はこちら:

Instagram:https://www.instagram.com/minatanaka_official/
Twitter:https://twitter.com/minatanaka_9

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この記事を書いた人

新品市場と中古市場のバランスに面白みを感じてこれまで15年以上も中古市場に関わるものの、唯一スマホ業界だけが中古の成長に遅れを感じている。ニューズドテックが掲げる使命に魅せられて、スマホ業界、敷いてはデバイス業界を盛り上げたいと思いニューズドテックにジョインした中古スマホ業界を俯瞰的にみる人物の一人。