スマホ熱中症、熱対策には、電源オフと空冷が最適
いよいよ夏本番に突入!新型コロナ騒ぎもひと段落していることから、帰省客や旅行客が、かなり増えると予想されている。
そこで注意が必要になってくるのが「熱中症」である。消防庁の発表によると、昨年(2022年)の5月から9月までに熱中症で救急搬送された人は、全国で7万1029人にものぼっている。
2023年の夏は「スマホ熱中症」対策を。
今年は、それを上まわるのは確実かもしれない。民間の気象情報会社「ウェザーニュース」は6月20日の時点で、「今年の夏(7月~9月)の気温は、全国的に平年より高く、7月下旬から8月初旬にかけて暑さのピークを迎える」と発表している。そして今年5月15日から21日まえの熱中症による救急搬送数は、すでに1763人(速報値)で、前年比だと6倍にもなっているのだ。
ちょっと気も緩みやすい旅行では、熱中症対策も疎かになりがちであり、いっそうの注意が必要だといえる。注意が必要なのは、人だけではない。忘れてならないのは、「スマホ熱中症」への対策である。
株式会社ニューズドテックは、国立大学法人電気通信大学i-パワードエネルギー・システム研究センターの横川研究室との産学連携「スマホバッテリー劣化研究プロジョクト」を2021年に起ち上げた。そこで行ったのが、「スマホ熱中症調査」である。
旅行では車利用も多く、不案内な旅行先ではスマホをカーナビとして利用するケースも多いにちがいない。すると、うっかり車内にスマホを忘れて車外に出てしまうことも考えられる。これが、スマホの大きなダメージにつながってしまう。
スマホ熱中調査によると、外気温32.2℃で直射日光を浴びる車内では、たったの30分間でダッシュボード付近の温度は60℃にも上昇している。そこに置いたスマホ自体の温度も、50℃を超えた。最初の15分間はエンジン&エアコンを入れていた状態で、その後は消している。それでも、これだけ温度が上昇してしまうのだ。
スマホをカーナビとして利用する場合、ダッシュボード付近に置くことになる。その場所が、これほどに温度上昇があるとすると、「うっかりスマホを忘れて車外」など、とんでもないことがわかる。
これだけの温度上昇が、スマホに悪影響を与えないわけがない。スマホに利用されているリチウムイオンバッテリーは熱の影響を受けやすく、多くのメーカーは「動作時環境温度0~35℃、保管時温度-20~45℃」を推奨している。
車内にスマホの置き忘れ注意。故障やバッテリー劣化の原因にも。
真夏の車内は、この推奨温度をとっくに超えている。そこに置いておくことは、バッテリーの劣化を早めるだけでなく、故障につながるリスクも高い。車内にスマホを置き忘れない注意が、旅行中も、そして普段の生活でも絶対に必用である。
車内だけではない。部屋のなかでも戸外でも、直射日光のあたる場所にスマホを置いておくことは避けるべきである。それが、スマホ熱中症にならないための最大のポイントいえる。
万が一、そういう場所に放置してスマホの温度上昇に気づいたら、電源をオフにして、モバイル扇風機などで空冷するといいそうだ。スマホ熱中症に注意しながら、真夏でも快適なスマホ生活を楽しみたいものだ。